チョウザメの養殖から食肉販売、チョウザメ料理まで何でも紹介するチョウザメ情報館。
チョウザメは見た目的にも鮫と勘違いされますが、全くの別種の魚です。
とはいえ、調理するため捌く時に難しいのは鮫もチョウザメも同じ。鯵やイワシを捌くのとはわけが違います。
チョウザメは背骨は軟骨質、皮は堅い硬鱗を持っているため、捌くのには「知識」と「コツ」が必要です。
このページの内容が調理される方の参考になれば幸いです。
チョウザメの体の表面は、ウナギのような粘膜で覆われているため大変滑りやすく、掴みずらいので、調理がしずらいです。
そのため、手には軍手などの滑り止めのついた手袋、まな板も滑るため、まな板に新聞紙などを敷いて調理、捌き始めることをおススメします。
1. まず頭を落とします。
2. 次に内蔵を取りだします。
3. このお腹側のお肉が『大トロ』にあたる部分です。腹側の硬鱗ギリギリに包丁を入れて取りだします。
「ヒラメの縁側」のような形で刺身につかえます。
チョウザメの稚魚を仕入れさせて頂いているフジキン様より伝授された活け〆を実践してみました。
活け〆するチョウザメは予め1週間餌止めをします。
活け〆するチョウザメは外観から異常がない事を確認しましょう。
当然ですが、〆る際は手は良く洗い、包丁、まな板はアルコールで消毒をし衛生面を整えておきます。
活け〆する際、当然ですがチョウザメは暴れます。
チョウザメを横向きにセットし、一人が尾をしっかりと押さえ、もう一人がエラの間から出刃包丁を差し込んで脊椎を切断します。
チョウザメの脊椎はとにかく硬いので、力を入れ過ぎ勢い余ってケガをしないよう注意しましょう。
脊椎を切断する際は尾っぽ側の鰓弁とその一つ前の鰓弁の間を狙います。
包丁の刃を脊椎の節と平行になるよう刺すと切断しやすいようです。
脊椎を切断したら、次に喉を切断します。
喉の部分は人間でいうところの動脈にあたるため、喉を切断すると大量に出血します。
この時、喉の切れ込みと脊椎の切れ込みを繋げるよう切断し、切り口がはっきり見えるくらいに頭部を反らせて脊椎が確実に切れている事を
確認します。
尾柄部の下半分(ガイノン鱗の手前まで)を切断します。(完全に切断しない。あくまでも半分を切断)
この切れ込みより脊椎上部の神経に針金(直径1.5~2mm程度がおすすめ)を刺し、頭まで貫通させる。
針金を通す際は尾を持って、頭が真下になるよう吊り、脊髄がまっすぐになる様にすると刺しやすいです。
この針金を指す事により完全に神経を動かなくします。
ただ、場合によっては脊椎反射によって魚がけいれんする事があります。
針金を通せば動かなくなるはずなのに…と心配になるかもしれませんが、あくまでも痙攣。
完全に針金が奥まで刺さればチョウザメは動かなくなります。
尚、この針金を突き刺す工程では、針金を突き刺すと同時に手順2で切断した喉から大量に出血します。
手順3で切断した尾柄部を紐にくくりチョウザメを逆さ吊りにします。
当然、頭が下にきますが、切断した喉元の部分を水中につかるようにすると、切断された血管から血が流れ出やすくなります。
チョウザメの血液は非常に凝固しやすいため、すぐに切り口の血が固まり、血が出てこなくなります。
10分くらいの間隔で、チョウザメを揺すり、血液が固まらないようにします。
このチョウザメを定期的に揺する事をしながら1時間ほど待つと、血抜きは完了です。
まずチョウザメのお肉の調理の基本、消費期限と〆た後の食べごろについて紹介します。
研究機関の調査では、一般的に魚肉を刺身として食べる場合、水揚げ直後のお魚と冷蔵庫で貯蔵したお魚を比べると
意外なことに1日以上冷蔵庫で貯蔵したお魚の刺身が美味しい(歯ごたえと旨さの指標であるイノシン酸の量的に)
という結果がでています。
チョウザメの場合も同様に、〆た直後より2~3日冷蔵庫で貯蔵したチョウザメ肉の方が美味しいという結果がでています。
(2~3日冷蔵庫で4℃で貯蔵した場合、チョウザメ肉中のイノシン酸の量が最大になるようです)
ちなみにチョウザメ肉の中にいる菌の量的な見地から言うとチョウザメ肉は〆た後4日目以内に食べた方が衛生的に良いとの事です。
また、チョウザメ肉は他の魚と比べ歯ごたえが強いのですが、
〆た直後から徐々に硬くなり、1日冷蔵庫で貯蔵したあたりで歯ごたえが一番硬くなり、その後柔らかく食べやすい硬さに落ち着くようです。
適度な歯ごたえになるのが冷蔵庫で2日貯蔵以降との事で、先ほどのイノシン酸の量的に美味しくなるのも2日目~3日目という事でしたので
チョウザメの食べごろは〆た後冷蔵庫で貯蔵して2日から3日が食べごろといえます。